予算や保育園申し込み状況に関する開示請求の結果がきました

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 Twitterの方では取り急ぎ報告したところですが、開示請求の結果が来ました。結果としては全て非開示でした。ただ、せっかくなのでどういった内容が来たのかについての共有と今後の展開についてもお知らせしたいと思います。

 

 

開示請求を行った内容

 わたしが今回開示請求を行ったのは以下の内容です。

1) 平成28年度の予算書(個々の事業の予算額や使途が記載されており、情報公開コーナーで閲覧できる文書)全体の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
2) 平成27年度の予算書(個々の事業の予算額や使途が記載されており、情報公開コーナーで閲覧できる文書)全体の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
3) 平成27年度の決算書(個々の事業の執行額や使途が記載されており、情報公開コーナーで閲覧できる文書)全体の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
4) 平成29年度4月の認可保育所の申し込み状況(個々の保育所への希望者数が年齢ごとに記載された文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
5) 平成28年度4月の認可保育所の申し込み状況(個々の保育所への希望者数が年齢ごとに記載された文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
6) 平成27年度4月の認可保育所の申し込み状況(個々の保育所への希望者数が年齢ごとに記載された文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
7) 平成29年度4月の保育園入園の申込における歳時クラス別の利用調整指数の分布(歳時クラス別で利用調整指数の点数ごとの申込者の人数が分かる文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
8) 平成28年度4月の保育園入園の申込における歳時クラス別の利用調整指数の分布(歳時クラス別で利用調整指数の点数ごとの申込者の人数が分かる文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
9) 平成27年度4月の保育園入園の申込における歳時クラス別の利用調整指数の分布(歳時クラス別で利用調整指数の点数ごとの申込者の人数が分かる文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)

 内容の詳細とその意図などについては過去の以下の記事をご覧ください。

ninofku.hatenablog.com

 

開示請求の結果通知

 上記の請求内容に対しての通知の実物がこちらです(裏面は省略)。

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 開示請求の対象は大きく2つに分かれるので、それぞれに対して説明していきましょう。

 

結果の詳細(予算書、決算書について)

請求内容とその回答

1つ目は予算書、決算書についてです。請求内容は以下のとおり。

1) 平成28年度の予算書(個々の事業の予算額や使途が記載されており、情報公開コーナーで閲覧できる文書)全体の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
2) 平成27年度の予算書(個々の事業の予算額や使途が記載されており、情報公開コーナーで閲覧できる文書)全体の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
3) 平成27年度の決算書(個々の事業の執行額や使途が記載されており、情報公開コーナーで閲覧できる文書)全体の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式) 

 

そして、この開示請求に対する回答が以下のとおり。

上記(1)から(3)までの情報は、本区の図書館や情報公開コーナー において、閲覧及び貸出が可能な情報であり、中央区情報公開条例 (以下「条例」という。)第2条第2項第2号に規定する「図書館その他の区の施設において、閲覧に供し、又は貸し出すことを目的 とする図書等」に該当し、条例の適用除外であるため。

内容の解説

 中央区からの回答内容を簡単に整理すると以下のとおりです。

  • 回答:条例の適用除外である

  • 理由:上記(1)から(3)までの情報は、本区の図書館や情報公開コーナーにおいて、閲覧及び貸出が可能な情報である

  • 根拠:第2条第2項第2号に規定する「図書館 その他の区の施設において、閲覧に供し、又は貸し出すことを目的 とする図書等」に該当する

 

 この開示請求は情報公開条例の適用除外であるという理由で「不開示」という扱いになっています。その理由は条例の第2条第2項第2号。第2条第2項は何を開示請求の対象とするか(しないか)を整理した部分で、第1号,第2号,第3号には対象としないものが列記されています。該当箇所は以下のとおりです(強調は引用者)。

 この条例において「区政情報」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、マイクロフィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作れた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
官報、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
図書館その他の区の施設において、閲覧に供し、又は貸し出すことを目的とする図書
図書館その他の区の施設において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの 

 引用元)情報公開制度のあらまし 中央区ホームページ

 

 つまり、わたしの開示請求した内容はこの開示の対象としない項目に該当するので「区政情報」とは見なさない、したがって「不開示である」という理屈です。

 

結果に対する所感

 この結果はまったく納得の行くものではありません。理由は3点です。 

1) 情報提供の「媒体」が異なる

 1点目は、情報提供の「媒体」が異なる点です。たしかに予算書や決算書の情報は図書館や情報公開コーナーにおいて閲覧及び貸出は可能であるかもしれません。しかし、その提供の媒体はあくまで紙であり、わたしが開示を求めている電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)」ではありません。図書館でも情報公開コーナーでも、Webサイトでも結構ですが、電磁的記録(PDF,Excel等の電子ファイル)の形式で提供されているのであれば「すでに公開しているので適用除外」という理屈は通ります。しかし、こちらが求めている媒体での提供が行われていないのであれば、開示請求の対象とするべきというのがわたしの考えです。

2) 情報提供の「方法」が異なる

 2点目は、情報提供の「方法」が異なる点です。図書館や情報公開コーナーで可能であるのはあくまで「閲覧及び貸出」であって、わたしが求めている「写しの交付」ではありません。図書館や情報公開コーナーでこれらの文書の配布という手段がない以上、開示請求の対象とするべきでしょう。 

3) そもそもこの項目の妥当性への疑問

 3点目は若干これまでとは毛色が異なります。そもそものこの「第2条第2項第2号」そのものへの疑問です。というのも、第2条第2項1号及び3号が国の情報公開に関する法律である「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」、東京都の情報公開に関する条例である「東京都情報公開条例」等に類似の項目が存在する一方で、国にも都にも「第2条第2項第2号」に該当するものは存在しないためです。

 以下の整理表はわたしが独自に作成したものです(クリックすると大きくなります)。開示請求の適用除外として「営利目的で発行されるもの」と「歴史的・文化的資料」が挙げられるのは一般的であり、これが第2条第2項1号と3号に該当します。他方で、第2号に該当するものはわたしが調べる限り見つかりませんでした。

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  条例の制定は地方自治の根幹であって、全ての自治体が同じ内容の条例をそっくり掲げるべきとは言いません。しかし、情報公開条例は憲法21条に定められている国民の知る権利を保障するためのものであり、それを極端に制限することがあれば憲法違反にもなりかねないものであり、妥当性に疑念が残るところです。また、条例を定めるにしてもその適用は慎重に行われるべきものと考えます。

 

 これらを総合すると第2条第2項第2号の主旨は「すでに広く公開されているものであれば{開示請求は不要なのだから}それを利用すべし」とのみ捉えるべきであり、今回の結果のように「何らかの形であれ公開されていればそれ以上公開する必要はない」という解釈には無理があるとわたしは考えます。

 

今後の展開

 上記のような内容で即刻不服申し立てしようと息巻いていたのですが、現時点ではとりあえずは保留です。予算書、決算書は上記のとおり開示請求書の対象ではないものの、編集不可のPDFの形式であれば「情報提供」という形で提示することは可能という連絡を担当部署の方からいただいたためです。まだ手元に来ていないのでどういった形式であるのか分かりませんが、当面はこの形式でも予算、決算の概要は理解できるだろうと考えております。 

 

結果の詳細(保育園の申し込み状況について)

 次に保育園の申し込み状況について。こちらはいくつかコメントもいただいており、かつ平成29年度4月からの第一次の結果報告間近ということもありそれなりに期待されている内容だったのですが、こちらも不開示という結果になりました。 

請求内容とその回答

わたしが今回開示請求を行ったのは以下の内容です。

4) 平成29年度4月の認可保育所の申し込み状況(個々の保育所への希望者数が年齢ごとに記載された文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
5) 平成28年度4月の認可保育所の申し込み状況(個々の保育所への希望者数が年齢ごとに記載された文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
6) 平成27年度4月の認可保育所の申し込み状況(個々の保育所への希望者数が年齢ごとに記載された文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
7) 平成29年度4月の保育園入園の申込における歳時クラス別の利用調整指数の分布(歳時クラス別で利用調整指数の点数ごとの申込者の人数が分かる文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
8) 平成28年度4月の保育園入園の申込における歳時クラス別の利用調整指数の分布(歳時クラス別で利用調整指数の点数ごとの申込者の人数が分かる文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)
9) 平成27年度4月の保育園入園の申込における歳時クラス別の利用調整指数の分布(歳時クラス別で利用調整指数の点数ごとの申込者の人数が分かる文書)の電磁的記録(Excel等の文字情報のコピー・編集が可能なファイル形式)

 

そして、この開示請求に対する回答が以下のとおり。

上記(4)から(9)までの情報は、本区の利用調整の方法(保育園ごとではなく、申込者の指数順で行っている。)などから特段の必要性がないため、このような統計はとっておらず、区政情報は存在しない。 したがって、条例第11条第2項の「開示請求に係る区政情報を保有していないとき」に該当し非開示とする。

内容の解説

 中央区からの回答内容を簡単に整理すると以下のとおりです。

  • 回答非開示とする

  • 理由上記(4)から(9)までの情報は、本区の利用調整の方法(保育園ごとではなく、申込者の指数順で行っている。)などから特段の必要性がないため、このような統計はとっておらず、区政情報は存在しない

  • 根拠条例第11条第2項の「開示請求に係る区政情報を保有していないとき」に該当する

  

 つまり、わたしの開示請求した内容は業務上の必要がないために作成しておらず、存在しないために非開示であるという理屈です。 

結果に対する所感

 この結果についても、納得の行くものではありません。理由は2点です。

1) データが存在しないとは到底思えない

 まずは、これらのデータが中央区に「存在しない」とは到底思われないためです。今回の開示請求にあたっては、中央区の情報公開担当者の方と数回メールにてやり取りを行っているのですが、その中で認可保育所の申し込み情報の管理には業務システムを利用していることが明らかになっています。業務システムを用いて利用調整などの業務を行っているということであれば、開示請求で求めている情報はシステム上に電子データとして存在していなければなりません。そして、システム上にデータとして存在しているのであれば、特定の項目を抽出して出力することも容易に行えると理解するべきです。したがって、システムの機能として開示請求の内容に完全に該当するものが存在しないとしても、極めて容易に作成可能であるはずでしょう。このような機能が存在しなければ、資料の作成や関係者への通知等、担当部署の業務運営に著しく不都合を生じるはずであろうためです。

2) 「7)〜9)」の不存在への説明がない

 また、上記の理由である利用調整を「保育園ごとではなく、申込者の指数順で行っている」という内容は、「4)〜6)」の「認可保育所の申し込み状況」が存在しない理由としてはまだ理解できるにせよ、「7)〜9)」の「歳時クラス別の利用調整指数の分布」が存在しない理由としては何の説明にもなっていません。「申込者の指数順で行っている」のであれば、少なくとも「歳時クラス別の利用調整指数の分布」に該当する文書は存在していると理解するべきです。

今後の展開

 結果としては不開示であったものの、こちらについても一切の収穫がなかったわけではありません。予算書、決算書の場合と同様、担当者の方とはどういった形式の資料であれば提示可能なのかという調整を行っているところです。この中で「利用調整指数の分布状況」は手に入るかもしれません。ただし、その中でもそれぞれの認可保育所への申し込み状況のデータ、直近の平成29年度の情報については提供いただけそうな雰囲気にはなく、この点については今回の開示請求の不服申し立て、利用調整の業務システムの仕様の確認(本当に機能が存在しないのか)のための新たな開示請求も含めて検討しているところです。

 

終わりに

 今回は開示請求の結果とその解説、今後の展開について書きました。ある程度予想の範囲ではありますが、全面的に不開示という結果が返ってきました。とりあえず書いてある内容を曲解して、「存在しない」「開示できない」という方向性に誘導するというのは良くある手口であり、さして驚くことではありません。幸いにして、開示請求の内容が納得できない場合には「不服申し立て」という手段があり、第三者を交えた「行政不服審査会」に審査を依頼することが可能ですので、これらの手段も用いて情報提供を今後とも求めていきたいと考えているところです。

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