【保存版】東京23区で本当に保育園に入りやすい(入りにくい)区はどこなのか、過去5年分のデータから分析してみました。

赤ちゃんを抱っこする夫婦のイラスト

 こんにちは、ninofkuです。暑さも随分と和らいで、散歩していて気持ちの良い季節になりました。秋になってくると、各自治体での保育園の入園の案内が出てきますので、そろそろ情報収集を初めていらっしゃるお父さんお母さんは多いのではないでしょうか。そういった方向けに、今回は東京23区で保育園をはじめとする保育サービス全般について利用しやすい(しにくい)区はどこなのかについて過去5年間のデータを元に情報提供したいと思います。色々と語りたい蘊蓄はあるのですが、とりあえず今回の記事では最低限の前提情報と、わたしのまとめたデータの公開を行います。

※ タイトルは分かりやすさを重視して「保育園」と書きましたが、厳密に言うと今回の記事で書くのは保育園に限らず「保育サービス」全般についての利用しやすさの調査です。「保育サービス」とは東京都の定義では「認可保育所認証保育所認定こども園、小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業、定期利用保育事業、企業主導型保育事業、区市町村単独保育施策等」とあり、要するに子どもを預けられるサービス全体を指しています。これらのサービス全てが利用できない場合に、親が復職できないもしくは離職せざるを得ないという大変な状況になることを考えると、妥当なものかと思います。

今回の調査の前提情報

今回の調査で用いたデータについて

 今回の調査で用いたデータは東京都が集計しているものです。世間の関心を受けて、ということになるのでしょうが、東京都では「都内の保育サービスの状況|東京都」という報道発表を毎年行っています。この中で都内の各自治体の保育サービスの状況(対象となる就学前児童や待機児童の数など)を集計してくれています。これが「自治体あるある」で、わざわざ紙をスキャンしているPDFなのでそのままは利用できないという無駄に面倒な仕様となっているのですが、それほど数があるわけでもないので手打ちでデータ化しました。一応確認はしましたが、誤りがありましたらご指摘いただけると幸いです。元のデータ及びわたしが加工したデータは以下からアクセスすることができます。 

<参照元の東京都のデータ>

以下のリンク先のページにある「表4 区市町村別の状況」が参照元のデータです。とりあえずということで5年分のデータを見てみました。

2017年度(平成29年度)4月時点:都内の保育サービスの状況|東京都

2016年度(平成28年度)4月時点:都内の保育サービスの状況について|東京都

2015年度(平成27年度)4月時点:都内の保育サービスの状況について|東京都

2014年度(平成26年度)4月時点:都内の保育サービスの状況について|東京都

2013年度(平成25年度)4月時点:都内の保育サービスの状況について|東京都

<わたしが今回作成したデータ>

 上記のデータを元に、わたしが今回作成したデータは以下のリンクから見ることができます。

東京23区の保育サービスの提供状況Googleスプレッドシートが開きます)

「保育サービス充足指数」について

 今回の調査では、自治体間での保育サービスの利用しやすさ(保育園への入りやすさ)ををある程度正確に測るためにわたしが勝手に独自の指数を作ってみました。それほど難しい計算ではありません。以下のとおりです。

「保育サービス充足指数」
= 100 − ((待機児童数 ÷ (保育サービス利用児童数 + 待機児童数) × 500)

※ 「保育サービス利用児童数」は、認可保育所保育ママなどの種類を問わず保育サービスを利用している子どもの数。

 この指数のポイントの一つは、待機児童の数を保育サービスの現在の利用者を含めた子どもの数全体の中でどの程度の割合を占めるのかを考慮に入れている点です。単純な待機児童数だけを見てしまうと、子どもの数が多い自治体は不利になってしまいます。他方、子どもの少ない自治体は実態よりも良い結果のように映ってしまうという問題もあります。保育サービスを利用する子どもも含めたサービスを希望する子どもの数全体を母数とすることで、この点を平準化していることが一つのポイントです。

 もう一つのポイントは、見た目の分かりやすさです。保育サービスが完全に充足している( = 4月1日時点で待機児童が存在しない)場合には「100」という値になり、数が増えていくにつれて指数が下がっていきます。全体のうちで待機児童数が10%である場合に指数は「50」になるように設定しています。指数が「50」であるということはすなわち、その自治体において保育サービスの利用を希望する子ども全体の10%がいずれの保育サービスも利用できない状態であったということです。

考慮できていない点

 素人がとりあえず作ってみたものですので色々と考慮不足の点はあるかと思いますが、一つ明確に考慮していない点をあらかじめ示しておきます。それは個々の自治体での点数調整の内容です。保育園の応募にあたっては希望者多数の場合には親の勤務状況などを点数化して、その上位から保育園への入園が決まるような仕組みとなっています。この点数の配分の仕方は概ね自治体で共通ではあるものの、細かいところでは異なっています。この自治体の点数配分によっては同じ勤務状況の人でも保育サービスの利用しやすさは有利になったり不利になったりします。したがって、この指数はあくまで目安の数字として捉えていただき、詳細についてはそれぞれの自治体の点数調整の中身を考慮した上でご判断いただければと思います。

東京23区の保育サービス充足指数の推移(平成25年度から平成29年度)

 ということで、本題の調査結果の公開です。ランキング(順位付け)と直感的に推移が分かるようにグラフをとりあえず作ってみました。

区ごとの指数ランキング結果

 各年度での区ごとの「保育サービス充足指数」を並べて順位付けした表です。指数が90以上である年度は「入りやすい」と判断し、指数と順位の箇所を赤字にしています。一方、指数が70以下である年度は「入りにくい」と判断し、指数と順位の箇所を青字にしています。なお、指数のそれぞれの意味は以下のとおりです。あくまで入りやすさの指標であり、指数「100」以外は少なからず待機児童が出ていることに変わりはありませんのでご注意ください

保育サービス充足指数が「90」以上である

 → 4月時点での待機児童の割合が希望者全体のうちの2%以下である

保育サービス充足指数が「75」以下である

 → 4月時点での待機児童の割合が希望者全体のうちの5%以上である

  そして、過去5年間のこれらの指数の傾向を見て、入りやすいと判断した区は区名を赤字、入りにくいと判断した区は青字で記載しています。

(2017/10/15追記) 平成25年度の値が丸々誤っておりましたので公開当初から一部の内容を修正しております。申し訳ございません。

 

データはこちらからも閲覧することができます。

東京23区の保育サービスの提供状況Googleスプレッドシートが開きます)

区ごとの指数の推移グラフ

 順位表とは別に、指数の年度ごとの値をグラフ化もしてみました。なにせ23本も線がありますので、見やすいようにグラフは2つに分けました。推移を見るにはこちらの方が分かりやすいと思われます。

とりあえずの結論

 とりあえずの今回の調査の結論として、入りやすいと判断した区と入りにくいと判断した区のそれぞれと、簡単に判断に至った理由を記載しておきます。それぞれの区のサービスの改善状況などを全て把握しているわけではありませんのでこの数字で見えることしか言えませんが。 今後、もう少し深掘りしていくことは考えております。特に現在在住している中央区については近日中に詳細な分析を行います。

(2017/10/15追記) 平成25年度の値が丸々誤っておりましたので公開当初から一部の内容を修正しております(以下の赤字部分)。申し訳ございません。

<保育園に入りやすい区>

・千代田区(54年連続で100を達成。文句なしに入りやすい区)

・杉並区(直近4年間で常に指数が90以上を維持し、さらに向上傾向にある)

・葛飾区(常に指数が90以上を維持し、さらに向上傾向にある)

 

<保育園に入りにくい区>

中央区直近4年間で年々指数が悪化しており、改善傾向も見られず。今年度は後ろから2番目)

台東区(直近3年で指数が悪化、60台の状態が続いている)

・目黒区(過去54年で常に底辺を維持、特に29年度は23区で唯一の指数50割れ)

・世田谷区(過去45年で常に最底辺クラス、ただし29年度には若干改善)

・渋谷区(継続して悪化傾向にあり、ただし29年度には若干改善)

・中野区(過去54年で常に底辺を維持、改善傾向も見られず) 

最後に

 今回のような内容を書く趣旨としては、わたし自身が初めての子供を授かって、かつ引越しが必要となる状況に置かれた時に、どの自治体に行けば保育園に入ることができるのかという情報が見つけられなかったためです。元々妻は働いており、産後も継続して働くことを希望していたので、引越し先の要件としての優先順位として保育園に入りやすいという要素は必須と考えていたものの、どの自治体が入りやすいのかについての情報は結局よく分からないままでした(そして、結果的に「入りにくい区」に来ていたことが今回の調査で分かりました。。)。

 情報が全くないわけではないのです。むしろ、情報は溢れていると言って良い状態です。それにもかかわらず欲しいと思える情報が手に入らなかったのは、あまり価値があるとは思われない情報が山ほど存在しているためです。この件に限らず、インターネット上で性格で有用な情報を手に入れることは年々困難になっていると言われています。

 今回の記事が保育サービスを希望される方にとってどの程度役に立つかは分かりませんが、少なくともわたしがこれまで見てきた情報への問題点は考慮した上で作成したつもりです。この情報が皆さんの情報収集に役立ち、「保活」という無駄きわまりない活動が少しでも効率的に行えることを期待しております。

 

Copyright © 2016-2018 東京の中央区で、子育てしながら行政について行政について考える行政について考えるブログ All rights reserved.