中央区の認可保育所の情報をデータ化してみました

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 どうも、ほづみゆうきです。中央区認可保育所に関する延床面積や園児定員、職位数など様々な情報について(人力で)データ化してみました。すでに来週には平成29年度4月からの結果が出ようというタイミングで随分間が悪いことは理解しているところですが、せっかく作ったので公開します。来年の募集のタイミングでは多少役に立つかもしれません。最後の方には作った経緯や思うところも書いています。

 

 

【お勧め】中央区の保育園への入園を希望されている方は、ぜひ以下の記事もご覧くださいませ。過去2年分の当落状況を分析してます。

ninofku.hatenablog.com

中央区認可保育所に関する生データ

 データの実物はこちら。中央区のWebサイトなどを参考に手打ちで作成したものです。具体的な情報元などの補足事項はリストの下に書いてますので、ご一読ください。なお、中央区のWebサイトの保育園情報の中に「あい保育園水天宮」が存在しなかったのでほとんどの項目は「0」扱いになっています(追加されたらこちらも修正します)。

 

補足へのリンク *1

 

Googleスプレッドシートで開くためのリンクはこちら。

docs.google.com

 

生データから作成した各種グラフ

 Google Docsの機能を利用して、得られたデータの中で多少価値のありそうなグラフを作ってみました。

2017/07/30追記)

スマホでご覧になる場合、表示エリアを飛び出してしまうようです。お手数ですが、パソコンでご覧ください。

園児1人あたりの延床面積

 保育園全体の面積を園児の定員で割って、1人あたりの面積を算出したものです。当然数字が大きければ広い、小さければ狭いということになります。区立認可が圧勝かと思っていましたが、必ずしもそうでないようです。1位は「キッズハウス浜町公園」、2位は「みちてる保育園」とどちらも私立認可、3位で初めて区立認可の「十思保育園」が出てきます。

  • 1位:キッズハウス浜町公園
  • 2位:みちてる保育園
  • 3位:十思保育園

園児1人あたりの保育士/職員

 もう1つは保育園全体の保育士数、職員数を園児の定員で割って、1人あたりの保育士数、職員数を算出したものです。数字が大きければたくさん人がいるということになります。園ごとに各年齢の定員数は異なるため単純な比較はできませんし、何より単純な頭数が重要なのではなく個々の人のクオリティによるのでしょうが。職員数で見ると、1位は「みちてる保育園」、2位は「かふう保育園日本橋」、3位は「ポピンズナーサリースクール晴海」。いずれも私立認可が占める結果となりました。

  • 1位:みちてる保育園
  • 2位:かふう保育園日本橋
  • 3位:ポピンズナーサリースクール晴海

 

保育園情報のマッピング

 スプレッドシートの情報を地図上に表示もできるようなので、やってみました。こちらの方が直感的で見やすいかも知れません。個々のリンクをクリックすると、上記のシートにある情報を表示できます。区立認可は赤、私立認可は青で表示させています。

 

作成に至った経緯 

 こういったデータの作成とその活用を試してみたきっかけは、オープンデータに関心があるためです。オープンデータとは、「特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるべきであるというアイデア」とされています。

オープンデータ - Wikipedia

 

 今回は行政に関する内容なのでそこにフォーカスすると、要するに国や自治体など行政の持っている様々な情報を編集可能な状態で提供し、自由に利用可能な扱いができるようにすることです。国では総務省が旗振り役をやっていて、その意義・目的として以下3点を挙げています。

1) 透明性・信頼性の向上:
 公共データが二次利用可能な形で提供されることにより、国民が自ら又は民間のサービスを通じて、政府の政策等に関して十分な分析、判断を行うことが可能となる。それにより、行政の透明性が高まり、行政への国民からの信頼を高めることができる。

2) 国民参加・官民協働の推進:
 広範な主体による公共データの活用が進展し、官民の情報共有が図られることにより、官民の協働による公共サービスの提供、さらには行政が提供した情報による民間サービスの創出が促進される。これにより、創意工夫を活かした多様な公共サービスが迅速かつ効率的に提供され、厳しい財政状況、諸活動におけるニーズや価値観の多様化、情報通信技術の高度化等我が国を取り巻く諸状況にも適切に対応することができる。

3) 経済の活性化・行政の効率化:
 公共データを二次利用可能な形で提供することにより、市場における編集、加工、分析等の各段階を通じて、様々な新ビジネスの創出や企業活動の効率化等が促され、我が国全体の経済活性化が図られる。また、国や地方自治体においても、政策決定等において公共データを用いて分析等を行うことで、業務の効率化、高度化が図られる。

引用元)総務省|オープンデータ戦略の推進|オープンデータとは

 

 特にわたしが関心を持っているのは1点目の「透明性・信頼性の向上」という観点です。残念ながら行政に大きく欠けているのは情報を分かりやすく伝えるという点です。大多数の国民にとって行政がやっていることはもはや「訳の分からないもの」であって、理解しようという気もないというのが現状かと思います。
 しかし、その無関心が行政の改善サイクルを阻害しており、結果的には「金ばかりかかる一方でやってほしいことは果たされない」という残念な行政をもたらしているのです。その解決策として過去の記事でわたしが主張したのは「住民が行政に関心を持つこと」でした。

 これまで、行政における改善サイクルがなぜ機能しないのかについてわたしの意見を述べてきました。1つには制度上の問題があること、しかし、 それ以前の問題として住民からの効率的な行政への要請がないこと、それによって住民が本当に望むものが得られないこと、さらには自治体職員による自主的な改善も望むことが困難であることについて説明してきました。

 それでは、これらの問題にどのように対処していくべきでしょうか。上記に挙げた2点とも必要ではありつつも、わたしとしては後者の「住民が行政に関心を持つこと」による対処がまず為されるべきだろうと考えています。それは住民の関心なしの民主主義などはあり得ないものであるためです。

 引用元)以下の記事

ninofku.hatenablog.com

 

 その一方で、あまり行政に関する知識がない方を捕まえて、それに関心を持って意見を述べなさいというのも無理な話です。質(内容が普通の人にも十分に分かりやすいか)の面でも量(何らかの判断ができるほど十分に提供されているか)の面でも情報公開は未成熟であるためです。
 本来的にはこの情報格差を埋めるべきは行政自体なのでしょうが、あまりそれに期待することができない以上、一部の有志がその役割を担うことになるのだろうと思います(このブログのその一役を担うことができればと考えて作ったものです)。そして、オープンデータはこの有志が活躍する土壌を築くものと言えますより多くのデータがより使いやすい形で提供されることにより、より多くの有志が参加しやすくなるであろうからです。
 日本の自治体においても鯖江市のような先進的な自治体が先駆けとなって、今では多くの自治体が様々な情報を公開しています(日本のオープンデータ都市マップによれば全部で本日時点で262の都市が何らかの情報を公開しているとのこと)。先日来の情報公開請求でも執拗に編集可能なExcel等の形式での提供を求めているのは、その情報そのものを取得するという目的が第一ではあるものの、さらには中央区においても編集可能なデータの公開を普及させていきたいという意図もあります。どこまでこれらの取り組みがうまく行くかは分かりませんが、やれることを少しずつやっていこうと思います。

 

わたいが行った開示請求についてはこちら。

ninofku.hatenablog.com

 

終わりに(という名の愚痴)

 今回は公開されている情報を無理矢理収集することによって保育園に係る情報を作成し、それを元にいくつかのグラフを公開してみました。そして、最後にはこういった情報を公開することの意図についても書きました。

 最後に、雑多な内容ではありますがリストの作成にあたって気になった点を書いておきます。もし中央区のご担当者が見られているのであれば、改善をお願いいたします。また、これらの正確な情報を編集可能な状態で公開していただけると何より嬉しいです。

1) 「あい保育園水天宮」が一覧上に存在しない

→ かわいそうなので載せてあげてください。

2) 区立認可の場合と私立認可の場合で「職員数」のカテゴリが異なる
→ 区立認可のフォーマットに合わせて表示すべき。

3) 私立認可の場合、歳児別の部屋や遊戯室等の面積が書いていないことが多い
→ 区立認可のフォーマットに合わせて表示すべき。

4) 私立認可の場合、レイアウト図の記載内容がバラバラ
→ フォーマットを統一すべき。「ブライト保育園東京入船」のレイアウトが分かりやすい

5) 「保育所まぁむ月島駅前園」の開設年月日が「####」
→ 文字サイズを小さくするかセル幅を広げて、PDF化後に確認。

6) 本園と分園がある場合のルールが不統一(「さわやか保育園・勝どき6丁目本園・分園」は別記載だが、それ以外はまとめて記載)
→ ルールを統一すべき。

7) Webサイトによって表示される情報が異なる場合がある
→ 定期的に情報をメンテナンスするべき。

 

2017/07/30追記) 

この他、以下のようなデータも公開しております。どの保育園に申し込むかについて、何らかの助けになれば幸いです。

・保育園ごとの待機児童者数の情報 

どの保育園に対してどの程度待機児童が存在するかについて示した表を公開しています。おおよそではありますが、待機児童の多い少ないから、保育園ごとの人気度が分かります

ninofku.hatenablog.com

 ・歳児別の利用調整指数の分布の情報

 一般に「ポイント」と呼ばれている、保育園への応募時の利用調整指数が歳児クラスごとにどの程度分布しているのかを示した情報を公開しています。応募時にはこの指数によって入園できるかどうかが決まりますので、この分布を知ることによって保育園に入れそうなのか否かを理解することができます

ninofku.hatenablog.com

 

*1:1) 情報元は以下の3つ。

認可保育所 施設案内 中央区ホームページ

社会福祉施設検索 社会福祉法人・施設・在宅サービス事業者情報|東京都福祉保健局

福ナビ とうきょう福祉ナビゲーション

2) 対象は区立認可保育園と市立認可保育園。認定こども園、地域型保育事業所、認証保育所は含めていない。
3) 「No.」中央区発行の「平成29年度 保育園のごあんない」におけるナンバリングに準拠。
4) 「0歳児定員」は「0歳児(産明け)定員」と「0歳児(7ヶ月)定員」の合計値。

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