中央区の今年(2020年)の待機児童はどうなるのか?公開されている情報から分析してみました。

泣いている赤ちゃんと電話をするお母さんのイラスト

 おはようございます、ほづみゆうきです。2月になりました。今年4月の入園に向けた保育園入園の申込みを行った方には期待と不安が入り交じる時期ですね。この時期にはこのブログもアクセス件数が増えます(結果発表後はもっと増えます...)。アクセス件数が増えることは通常は嬉しいことではあるのですが、この時期ばかりは見られる方の切実さを考えると心苦しい限りです。

 中央区では2月10日に結果が発送ということになっています。したがって、実際の結果は当然に10日以降にならないと分からないわけですが、現時点で公開されている情報で今年の結果がどのようになるかについて書いてみたいと思います。

今年の待機児童はどうなるのか?

今年の申込者数の速報値

 今年の選考の結果を占うにあたって、参考になるのは中央区が公開している申込件数の速報値です*1。1月29日付けでWebサイトに公開されています。件数の歳児クラス別のリストはこちらです。 

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 見ての通り、前年よりもトータルで101人も増加しています

前年の実績

 これがどのような意味を持つかを知るためには、前年の状況がどうだったかを知る必要があります。前年、つまり2019年4月時点での待機児童数は197件。内訳は以下のとおり。

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 これは単純な数だけで言っても東京23区の中で悪い値です。世田谷区の470人に次ぐ数字です。ワースト2

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 しかし、実態はもっと悪いのです。というのも、区ごとに子どもの数は異なっていて子どもの数は圧倒的に多いためです。

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 したがって、本当の入りやすさ(入りにくさ)を把握するためには利用を希望する人のうちで待機児童になっている人がどの程度かを知る必要があります。この考え方に基づいた結果がこちらです。f:id:ninofku:20190826003042p:plain

 2019年の結果はこんな感じですが、このときの申込件数よりもさらに多くなっているというのが今年です。

新設園の開設状況

 一方で、新しい保育園もできているということも挙げておかなければなりません。2020年4月に向けては以下の3園が認可保育園として開園する予定です。もっとも、まちのてらこや保育園は今年度までは「認可外」という位置づけですので、純粋に定員が増えるというわけではないので注意です。

・まなびの森保育園銀座
・EDO日本橋保育園
・まちのてらこや保育園 

  参考までに、それぞれの園の定員の情報はこちらです。

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これらを考慮した待機児童の推測

 これまでの情報をあわせると、おおよその歳児クラス別の待機児童数を推測することは可能です。その結果がこちらです。前年の待機児童数に申込数の増減数を足して、そこから定員増分を引いてみた結果です。

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 0歳児は若干減、1歳児はほぼ変わらず、2歳児は0から大幅増となっています。

中央区による待機児童予測!?

 ちなみに中央区でも次年度の待機児童数の推測を行っています。よほどの物好き以外には知られていないかと思いますが、昨年9月に開催された中央区子ども・子育て会議の「幼児期の教育・保育施設 量の見込みと確保方策」という資料に2020年4月時点での保育園の申込者数と定員、そしてそのミスマッチによる待機児童がどの程度出る見込みなのかがすでに公開されているのです*2

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 その数は242人(本筋とは離れますが、3-5歳の余剰と足し合わせて「69人」としているのは信じられない暴挙です)。前年の197名から大幅増。東京23区の中では多くの自治体が数字を徐々に減らしつつあるなか、ある種の潔ささえも感じられます。もちろん、今後の計画としては徐々に減らして2022年にはゼロになるという素敵な計画になっています。

 しかし、現実問題としては無理でしょう。この手の計画は過去に2回作られているのですがいずれも失敗しているためです。以下は実際の待機児童数と計画上での推移をプロットしたものです。よほどのテコ入れをしない限り、このような計画は実現できないでしょう。

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最後に。今後に向けてのアドバイス

 今回は、2020年の中央区の保育園入園申込について、現状で把握できる情報からどのようになりそうかについて分析してみました。だいたい220から240程度の待機児童数で、2019年4月よりも厳しくなりそうだというのがわたしの感触です。

 

 今回申込みをされている方、来年以降に申し込みをされようとしている方へのアドバイスは、まず現状を知るということです。どの歳児クラスで申込みをされようとしているのか、その場合にはだいたいどの程度であれば入園できているのか。これを把握できれば、認可の選考に漏れそうなのであれば早めに認証認可外を検討するか、それとも引っ越すかという次のステップの検討に入ることができるようになります(今回申込みの方は今引っ越しという選択は困難でしょうが)。

 以下の記事で2015年、2016年の状況について書いていますので良かったらご覧ください。

ninofku.hatenablog.com

 

 その後の2017年、2018年の状況はその後に開示請求で取得してそれをまとめたスライドがあるのですが、昨年に有償のイベントで公開したものなので現時点ではブログに公開はしていません。とは言いつつも秘蔵にしておくのもどうかと思ったので、試しに以下のサイトからダウンロード販売やってみることにしました。もし関心あればご購入くださいませ。

 

 

 最後に。今回のような記事について、余計に不安を煽るようなものという指摘もあるかもしれません。しかし、自分の経験からすると現状をまず知ることが不可欠と考えています。申込みにあたって、多く方は「共働きなんだし、きっと大丈夫だろう」と思って、よく分からないままに申し込みを行うのでしょう。以前のわたしもそうでした。

 しかし、その結果は残酷なものでした。我が家は両親共働きで、妻は4月からの復職を希望していましたが、認可保育園は全て落選。結果が分かった後に認証保育園にいくつか希望を出しましたが何の連絡ももらえず。

 幸いなんとかなったものの、認可保育園の落選からの1ヶ月の絶望と恐怖をこれからの世代の人たちに経験して欲しくないと思い、この手の発信し続けています。ご理解いただければ幸いです。

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