学童クラブとプレディって何が違うのかについてを調べてみた

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 どうも、ほづみゆうきです。今回は中央区の学童クラブ(いわゆる学童保育)やプレディ(いわゆる放課後子ども教室)の状況についてざっと調べてみたので共有です。元々はこの前提を元に、全然学童保育の量が足りてないよ!ということで民間学童についての情報を集めていて、そのことについて記事化しようと思ってたのですが、長くなったのでそれはまた次の記事で。

我が家の現状

 まず我が家の現状について説明しておきますと、来年小学校になる子どもがおります。わたしも妻も共働きですので、今は2人の子どもはどちらも保育園に通っています。そうするともちろん大変ありがたいことですけれども朝は8時半から18時半までは毎日月曜日から金曜日まで預かっていただけます。なので、何とか自分たちの仕事をやりつつ子子育ての両立ってことがまで来ているわけです。

 ただ問題は小学校に入ってからでして、小学校に入ると結構早く終わるみたいなんですね。確かに自分たちが小学校だった時を思い出すとそりゃそうだって話なんですけども、14時だったり15時だったりとか、もしかしたらもっと早くなったりですとかそういった感じで、保育園と比較するとかなり早く帰ってきてしまうとなると。小学生でももっと高学年とかになるとひとりで留守番ということも可能なのでしょうが、やはり1年生2年生とかだと1人で留守番ってこともできない。


 そうすると下校後の子守をどうするかということを考えなければなりません。最近はあのコロナの関係で在宅ワークが非常に増えてますのでそれを考えるとこれまでよりはだいぶマシなのかもしれないですけども とはいえ仕事をやりながら子供の相手をするってことはなかなか大変というのは、昨年の一斉休校・一斉休園のときにイヤというほど感じておられるかと思います。
 ということを考えると、子ども達が小学校の授業が終わって自宅に帰る前にどこかに行って安心して遊んどいてもらう場所ってことが必要で、その選択肢の1つが学童クラブっていうものです。保育園の小学校バージョンと思っていただいてほぼ差し支えないかと。

学童クラブって?

 まず学童クラブって何なのよということで中央区の文言を引っ張ってみます。

区内に居住または区内の小学校に在籍している児童を危険のないよう保護し、生活指導を行うものです。*1

 保育園のようなもの、と言ったとおり学童クラブが提供しているのは小学校下校時から親が帰ってくるくらいの時間まで保護してくれる場所。そして、対象としては親が働いているなどで下校時の子どもを見られない家庭

 これは保育園と同等にまったくもってありがたい存在であるわけなのですが、問題はこれまた保育園と同じで数が限られていること。利用にあたっては審査があって優先順位の順番で並べられて、入れる人もいれば入れない人もいるという仕組みになっています。また、自治体の事業ですので自治体によって学童保育をどこまでと頑張ってやってるかってところは大きく異なっています。大変残念なことに、 中央区はあまり頑張っていないような事態になっています。 

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  他区と比較して分かるのは1年生(青)、2年生(赤)の占める割合がやたらと多いという点。1年生だけで半数を占めていて、2年生を含めると全体の90%超というのが中央区の現状。これは定員が低学年優先なので、3年生以降の大半は残留を希望していたとしても定員オーバーで追い出されているという構造であるわけです。単独で切り出して、円グラフにしたのがこちら。

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 ちょっと本筋からずれますが、この状況はほぼ改善の見通しがありません。区では5年刻みで子育て関係の事業の計画を作っているのですが、この計画上では今後ニーズが増えることは見込んでいる関わらず、学童クラブの定員は一切増やすつもりはないよ!とはっきりはっきり書いてます*2。以下の画像の「確保方策B」という箇所です。

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 グラフにするとこんな感じ。

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 増え続けるニーズに対して、定員は微動だにせず「585」...

 保育園の方は未達ではあるにしても、まだ一応計画上はゼロを目標にしているのですが(それはそれでどうかというツッコミもありますが)、こちらについては計画ですらこの状況なのです(なお、2021年度には施設の規模はそのままで定員を約1.2倍(585→720)にするというマジックを発動することで「定員を増やす」ことには成功。基本、足りない分は後段のプレディで吸収、というのが区の方針のようです)。

プレディって何よ?

 学童クラブに入れなくても、別にプレディというものはあります。これは制度的には別のもので、放課後子ども教室というもの。実態としては学童クラブと似たようなもので、中央区の説明だとこういう感じになっております。

子どもが安全に安心して過ごせる居場所(遊び場)を区が提供する事業です。
保護者の就労に関係なく、プレディ実施校に在籍する全児童が対象で、自由に参加することができる「参加型」です。*3

 イマイチよくわかりませんね。この辺、自分も制度的なところからよく分からなかったので学童クラブの比較という形でいくつかのポイントで違いについて整理してみました。

学童クラブとプレディの違い

そもそもの位置づけ

 制度上で分かりやすいポイントは学童クラブが厚生労働省所管で、プレディは文部科学省所管という点です。学童の方は保育園と同じように子どもを見られない人たちを預かるという考え方で、プレディの方は学校の活動の延長線上で安全な遊び場所を提供するというとイメージが湧くかと思いますがいかがでしょうか。この位置づけの違いが、以下に挙げる違いにも表れています。

定員の考え方

 次に、定員の考え方が違います。学童クラブの場合にはきっちり定員の管理という考え方があって、ひとつの施設に対して定員が決まっていてそれ以上は入れません(だから保育園みたいな利用にあたっての審査があります)。一方のプレディの方については特に定員は設定されていません。利用申込みをした上であれば基本いつでも来てもいいよっていうスタンスになっています(もっとも、このご時世なので今は利用自粛のお知らせが出ています)。

 また区の計画への文句になりますが、プレディに「定員がない」というのは計画上とっても便利なものです。定員の枠を無視して、詰め込めるからです。先ほどの説明のとおり区は学童クラブの定員を増やさない代わりにプレディでニーズを吸収するといってますが、プレディの実施施設を増やそうというわけではありません

*4。すべてのエリアで今後もニーズは増えるにもかかわらず、5年の計画で増える見込みなのは月島エリアに1校のみ。

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利用できる年齢

 利用できる学年もそれぞれ違っています。学童の方は対象の学年が1年生から6年生うを対象、一方のプレディは1年生から4年生が対象になっています。学童の方が長く利用できて良いね!と初見で思ってしまうのですが、ここには罠があるので要注意です。

 一つ前で説明したとおり学童には定員という考え方があり、現状学童はかなり激戦となっています。そして、保育園を利用されていた方だと勘違いポイントだと思うのですが、学童の場合は学年ごとの定員ではないため、保育園のように「ひとまず入れてしまえば安泰」というわけではありません。要するに、他に優先順位が高い子が入ってくると追い出されるわけです。優先順位の要素として低学年であることが大きな部分を占めることから、利用できる子は小学生低学年が中心となっています。実態として、中央区学童保育を利用できている子は1年生、2年生で90%を超えます(以下、再掲)。

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 ただし、ある程度年齢が上がると自分たちで遊べるようにもなるし留守番もできるようになるので、実質的にニーズが減るという部分はあるでしょう。それと、3,4年生あたりになると塾に行きだす子もいるでしょうから、低学年のタイミングとはまた考え方が変わってくるかと思います。

施設の場所

 最後に、施設の場所です。別の制度に基づいて運営されていることから、場所はそれぞれです。大きく言うと、学童クラブは児童館で、プレディは小学校で運営されています。施設までは子どもが自分で行かないといけないので、どちらかを自由に選べるというよりは通うことになる小学校から行ける場所を探すというのが実際のところかと思います。小学校の位置と学童、プレディの位置をマッピングするとこんな感じです*5

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 見てわかるとおり、すべての小学校に何かしらが設置されているというわけでもありません。銀座・八重洲の辺りにある泰明小学校、城東小学校(今は阪本小に一時移転されてますが)、常盤小学校の近辺には学童クラブもプレディもないのです。別の話になっちゃいますが、中央区では小学校選択が一部できるようになっていますが、これらの小学校を選択する場合には放課後どうするかも重要な検討ポイントだと思います。

簡単にまとめ

 大きな部分での違いはこんなところかと思います*6学童保育の方が仕組みとしてはきっちりしていて、定員も決まっていてその人数に応じて資格を持ったスタッフ(放課後児童指導員)が整備されることになっています。しかし、一方で定員があるので利用したくても利用できないという事態になっています。他方のプレディは相対的にゆるやかな管理になっています。定員はなくてスタッフについても地域の大人、退職教員等が想定されていて特に資格が必要という要件はありません(自治体によって違う可能性はあります)。そのため、狭い場所に極端に多い子どもが遊んでいるとか、十分に目が行き届かないということもあるようです(他区の方からの伝聞なんで中央区でそういう事態が生じているかどうかは分からないですが)。また、新型コロナの感染がまだまだ猛威を奮っている中、狭い空間にモリモリ人が集まっているというのは感染防止の面でも個人的にちょっと不安に思います。

 ただ、最後に書いたとおりすべての小学校でそれぞれ運営されているわけではないので、学童クラブとプレディのどちらを選ぶかというよりは、まずは小学校の選択があって、その上でどちらが選択可能なのかと考える流れになりそうです。

最後に

 今回は、中央区の学童クラブとプレディについて、どんな違いがあるのかについて整理してきました。一長一短なところがあって、これで安心というわけには行かないなというのがわたしの感想です。こういう考えの方は他にもたくさんいて、この公的サービスの間を埋める存在として民間の学童保育というのが存在しております。 ただ、一切公的な支援などを受けていないことから自治体のwebサイトを見てもどこにも書いてないし、ググってもちゃんとした一覧があるわけでもありません。ということで一念発起してリストを作成しました。元々この記事で書こうとしてたのですが前段の学童とプレディの説明が長くなったので記事としては次回また書くことにしますが、以下のツイートからたどれますので良かったらご覧ください。

 

*1:学童クラブ事業 中央区ホームページ https://www.city.chuo.lg.jp/kosodate/shien/gakudo/gakudokurabu.html

*2:中央区子ども・子育て支援事業計画 中央区ホームページ https://www.city.chuo.lg.jp/kosodate/keikaku/kodomokosodatekeikakusakutei.html

こちらの計画の5章 p.96

*3:プレディと学童クラブはどこが違うのですか。 中央区ホームページ https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/faq/kosodate/shien/puredhi_gakudou.html

*4:中央区子ども・子育て支援事業計画 中央区ホームページ https://www.city.chuo.lg.jp/kosodate/keikaku/kodomokosodatekeikakusakutei.html

こちらの計画の5章 p.101

*5:

中央区の小学校と学童クラブ/プレディの場所(2021) - Google マイマップ

*6:詳しく制度的な違いなどを知りたい場合はこちらが参考になります。厚労省による比較表。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0224-9d_0060.pdf

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